解説

タイ・ベトナムの企業で使われる業務コミュニケーションツールとは?日本との違いを解説

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目次

タイ・ベトナムでは、メールやWeb会議ツールに加え、LINEやZaloなどのメッセージアプリが社内外の業務連絡に使われています。日本本社と現地法人で連絡手段や記録方法が異なると、業務の経緯や決定事項が複数のツールや個人アカウントに分散します。

この記事では、タイ・ベトナムで使われる主な業務コミュニケーションツールと日本との使い方の違いを整理し、本社と現地法人で連絡経路と業務情報を管理するポイントを解説します。

タイ・ベトナムでは業務連絡にどのようなツールが使われているか

タイ・ベトナムでは、メールやWeb会議ツールに加え、現地で普及しているメッセージアプリが業務連絡にも使われています。タイではLINE、ベトナムではZaloが代表的です。

主なツールを用途別に整理すると、次のとおりです。

用途

タイで使われる主なツールの例

ベトナムで使われる主なツールの例

チャット・日常連絡

LINE、Microsoft Teams、Google Chat

Zalo、Microsoft Teams、Google Chat

メール

Outlook・Microsoft 365、Gmail・Google Workspace

Outlook・Microsoft 365、Gmail・Google Workspace

Web会議

Microsoft Teams、Google Meet、Zoom

Microsoft Teams、Google Meet、Zoom

タイではLINEを業務連絡に使うケースがある

タイではLINEが広く普及しており、政府機関、銀行、民間企業でも、顧客への情報配信や問い合わせ対応にLINEのビジネス向けサービスが使われています。

従業員同士の連絡や、取引先との日程調整、写真・位置情報の共有にLINEを使うケースもあります。顧客対応にはLINE、正式な社内連絡や資料共有にはMicrosoft Teamsやメールを使うなど、用途を分ける運用も見られます。

ベトナムではZaloが社内外の連絡に使われている

ベトナムでは、現地企業が開発したZaloが広く利用されており、スマートフォンのほか、パソコンやWebブラウザからも利用できます。同僚との連絡だけでなく、顧客や取引先とのやり取りにも使われています。

メールやWeb会議ではグローバルツールも利用される

メール、Web会議、資料共有には、Microsoft 365、Google Workspace、Zoomなども導入されています。日本本社や他国拠点との連絡には、会社がアカウントやデータを管理できる共通ツールも使われています。 

日本とタイ・ベトナムではツールの使い方が異なる

日本でも、LINEなどのメッセージアプリが社内連絡や顧客対応に使われています。タイ・ベトナムとの違いは、個人向けアプリを業務で使う範囲と、チャットで決まった内容を記録する方法です。 

個人向けメッセージアプリが業務に入りやすい

タイのLINEやベトナムのZaloは、家族や友人との連絡に加え、職場や取引先とのやり取りにも使われています。

電話番号やQRコードでつながり、写真や位置情報を共有できるため、会社のメールアドレスを持たない従業員や小規模な取引先とも連絡できます。関係者がすでに使っているアプリが、そのまま業務連絡にも使われるケースがあります。

日本企業では、Microsoft Teams、Google Chat、LINE WORKSなど、会社がアカウントを管理できるツールへ業務連絡を集約する運用も見られます。タイ・ベトナムでは、LINEやZaloの個人アカウントが社内外の日常連絡にも使われる点が異なります。

社内と社外で連絡手段が明確に分かれないことがある

日本企業では、社内連絡はビジネスチャット、社外との正式なやり取りはメールといった使い分けが見られます。

タイやベトナムでは、同じメッセージアプリ上に、同僚や上司だけでなく、顧客や取引先とのグループが作られることがあります。

緊急連絡や日常的な確認ではチャットが優先されやすい

メッセージアプリは、短い文章をすぐに送り、既読状況も確認できます。待ち合わせ場所の変更、納期の確認、障害発生時の連絡など、相手の反応を早く確認したい場面で使われます。

日常的な確認や緊急連絡はチャット、正式な報告や承認はメールや業務システムというように、目的に応じて複数の手段が使われます。

日本本社と現地法人で起こりやすいコミュニケーション上の課題

現地で使われる連絡手段や記録先が日本本社と共有されていないと、業務情報が複数のツールや個人アカウントに分散します。主な課題は次のとおりです。 

メール、チャット、口頭に情報が分散する

取引先との日程調整はメッセージアプリ、見積書の送付はメール、社内承認はMicrosoft Teams、最終確認は口頭というように、業務は複数の経路で進みます。

チャットや口頭で決まった内容が正式な記録へ反映されなければ、判断の経緯、承認者、最新版の資料、次の対応者を確認できません。現地側で対応が進んでいても、日本本社からは、やり取りや判断の経緯が見えません。 

現地で使われる連絡経路を日本本社が把握できない

現地法人では、顧客、取引先、外部ベンダーごとにLINEやZaloのグループが作られることがあります。日本本社がその存在を把握していなければ、顧客からの要望や仕様変更、障害対応の経緯を確認できません。

情報共有が現地責任者や駐在員からの報告に限られると、担当者の不在や帰任によって連絡経路が途切れる可能性もあります。

個人アカウントや私物端末に業務情報が残る

LINEやZaloを個人の電話番号や私物端末で利用すると、会社はアカウントや保存データを直接管理できません。

端末の紛失や退職が発生しても、アクセスの停止、会話履歴の回収、グループからの削除を確実に行えない場合があります。契約条件や顧客情報、障害対応の経緯が個人端末だけに残れば、情報漏えいだけでなく業務継続にも影響します。

退職や担当変更の際に情報を引き継げない

会社が管理するMicrosoft 365やGoogle Workspaceでは、退職者のアカウントを停止し、必要なメールやファイルを会社側で管理できます。一方、個人のLINEやZaloに保存された会話は、同じように移管できるとは限りません。

現地担当者や駐在員の個人チャットに、取引先との合意や仕様変更、未完了の依頼が残っていると、後任者がこれまでの経緯を確認できないことがあります。

本社と現地法人の連絡手段を管理するポイント

すべての会話を一つのツールへ集約するのではなく、各ツールの用途、正式な記録先、管理者を決めます。

現地の顧客や取引先との連絡にはLINEやZaloを使い、社内の決定事項や機密情報は会社が管理するツールで扱うなど、用途に応じて使い分けます。

現地の利用実態を確認する

ルールを作る前に、現地法人が社内、顧客、取引先との連絡に使っているツールを確認します。

会社が正式に導入したメールやビジネスチャットだけでなく、個人向けアプリ、グループチャット、私物端末、緊急時の連絡経路も対象です。実際の使い方を把握することで、本社と共通化する範囲と、現地独自の利用を認める範囲を判断できます。

社内共通ツールと現地向けツールを使い分ける

Microsoft TeamsやGoogle Workspaceを本社と現地法人の共通基盤にすると、社内の情報共有やアカウント管理を統一できます。

一方、現地の顧客や取引先が使う連絡手段まで変更すると、日常的なやり取りに負担が生じます。社内連絡には会社が管理するツールを使い、社外との日程調整や簡単な確認にはLINEやZaloを認めるなど、相手と用途によって役割を分けます。

正式な記録先と記録する情報を決める

チャットで進めた会話のうち、見積もり、発注、契約条件、仕様変更、納期変更などは、会社が管理する場所にも記録します。

たとえば、チャットは連絡と相談、ワークフローシステムは承認、ファイル共有サービスは最終版の資料というように役割を定めます。すべての会話を保存するのではなく、判断の根拠、承認者、決定内容、対応期限を後から確認できる状態にします。

アカウント、グループ、退職者対応を管理する

業務用のグループチャットは、用途、管理者、参加者を現地法人が把握できる状態にします。顧客対応や障害対応など、継続性が求められる業務では、複数の管理者を置きます。

退職や異動の際は、会社が付与したアカウントや端末に加え、顧客・取引先とのグループチャットも確認します。退職者を参加者から外し、連絡先、合意事項、未完了の案件を後任者へ引き継ぎます。

個人アカウントの履歴を移管できない場合に備え、必要な業務情報を会社の記録先へ残す運用も組み込みます。

送信できる情報の範囲を決める

ツールごとの機能を細かく比較する前に、送信する情報を区分します。

情報の例

取り扱い方針の例

日程、訪問場所、一般的な連絡

LINEやZaloでも送信できる

見積もり、発注、仕様、納期

会社が管理するツールにも記録する

顧客・従業員の個人情報、機密資料

会社が承認したツールに限定する

パスワード、秘密鍵、認証情報

通常のチャットやメールでは送信しない

顧客や従業員の個人情報を扱う場合は、タイのPDPAやベトナムの個人データ保護法も確認します。保存先、共有相手、国外へのデータ移転については、自社の法務・セキュリティ担当者と整理します。 

送信を禁止する情報だけでなく、代わりに使う共有方法まで示せば、現地社員が情報に応じて連絡手段を選べます。本社と現地法人で統一するのは、利用するツールそのものではなく、正式な記録先と管理ルールです。

加藤 一喜
記事を書いた人
加藤 一喜

株式会社サーバーワークス
マーケティング部 マーケティング1課
独立系ISPやSIerの営業としてお客様のシステムやネットワークの最適化に従事した後、サーバーワークスに入社。入社後は、電力系キャリア様の開発標準化プロジェクトや、鉄道事業者様の構内読み上げシステムの提案・導入を実施。現在はイベントマーケティングとインサイドセールスを担当。
車の洗車が趣味。
AWS Certified Database – Specialty (DBS)

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