便利だけど要注意?ベトナムで広がるZaloの業務利用

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ベトナムで働くと、社内や取引先とのやり取りに「Zalo※」が欠かせないことに気づきます。日本でいうLINEのような存在で、チャットや通話、ファイル共有まで幅広く活用されています。

※Zaloとは?

  • 国内最大級のメッセージングアプリで、ビジネス分野にも広く浸透

  • 月間アクティブユーザーは7,000万人以上

  • 都市部から地方まで幅広く利用されている

  • 公式アカウントや広告配信など、企業向け機能が充実

  • 商品販売や予約受付など、ECや店舗運営でも活用される

  • 社内連絡・取引先とのやり取りでも標準的に使われる



特に現地社員同士の連絡手段としてはほぼ標準化されており、駐在員としてもベトナムで生活するうえで、社員とのやり取りだけでなく、お店の予約やドライバーとの連絡、生活全般でも欠かせないツールです。

一方で、セキュリティの観点から、Zaloを業務連絡に使わないよう呼びかける企業も少なくありません。機密情報や顧客データのやり取りは、本来専用の社内システムやメールで行うのが望ましいためです。

たとえば顧客情報を個人スマホで送信してしまう、退職者がグループに残ったままになるなど、管理しにくいリスクがあります。

しかし実際には、多くのベトナム企業で従業員が日常業務の連絡ツールとしてZaloを使っているのも事実です。

また、お客様や取引先とのやりとりをZaloでしてしまうと、本来会社同士で解決しなければいけない問題も担当者間で話が進んで後々会社でキャッチアップに苦労するケースも目にしたことがあります。

グループチャットでの進捗確認や、ちょっとした相談がサクサク進む便利さは、現地の働き方に深く根付いています。駐在員として私も、気軽に相談できる内容において、現地社員とのやり取りで何度も助けられた経験があります。そのため、便利さと注意点のバランスを意識することが重要です。

そんな便利なZaloですが、LINEにはあって現時点のZaloでは使えない機能があります。
それは「既読を回避してメッセージを確認する」機能です。Zaloではメッセージを開くと相手に既読がすぐに伝わる仕様で、日本のLINEのように長押しして確認だけということはできません。

私個人の感覚ですが、業務上のやり取りでも相手が読んだかどうかがわかる一方、ちょっとした返信遅れも見えてしまうため、タイミングや内容には注意が必要です。
現地の方々は基本即レス文化が根付いているので、確認して返信を先伸ばせないというプレッシャーもあります。

現地文化に沿ったコミュニケーションを尊重しつつ、重要な情報は必ず社内システムや安全なチャネルでやり取りする——Zaloをうまく活用しながらも、安全面に気を配ることが、ベトナムでの業務をスムーズにする鍵と言えそうです。

角澤 由衣
記事を書いた人
角澤 由衣

Sales Division / Sales Executive. IoTソリューション営業として3年間、日系製造業のお客様を中心に、OTネットワークの提案・導入支援に従事。製造ラインの可視化や生産データ収集を目的としたネットワーク構築、さらにはリモート保守や製品競争力強化を支える通信環境の整備など、現場課題の解決に尽力。 2025年4月よりホーチミンに拠点を移し、東南アジア市場におけるネットワークインフラやクラウド活用をテーマに営業活動中。趣味は海外旅行で、各地のハードロックカフェグッズを収集。ベトナムではフットサルにも挑戦。愛読書は『D.Gray-man』。

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