ベトナムで海底ケーブル障害が起きたら?通信遅延と回避策の現実
ベトナムで実際に起きる「海底ケーブル障害」と業務への影響
日本で働いていると、国際通信の裏側にある“海底ケーブル”を意識することはほとんどありません。しかし、ベトナムに赴任してみると、「海底ケーブルが切れる」という話を耳にします。海底ケーブルは国際通信の大動脈。これが障害を起こすと業務に影響が出ることがあります。
原因はケーブル劣化や漁船のアンカー接触などさまざま。ここ数年で切断頻度は減ってきたものの、完全にゼロではありません。実際、障害が発生すると、どのISPを使っていても海外向け通信が極端に遅くなることが多いです。
ベトナムと日本間のTeams会議が突然途切れたり、日本本社とVPN接続してクラウド資料を開こうとしたとき、開けなくなることもあります。
海底ケーブル障害に備える現実的な回避策とクラウド利用の考え方
こうしたリスクを回避するための現実的な選択肢が「帯域保障型の国際回線」です。最低保証帯域を確保しているため、通常のインターネット回線より障害の影響を受けにくいのが特徴です。もちろん、海底ケーブル自体が物理的に断線すれば総帯域は減少しますが、帯域保証型回線を選択している顧客が優先されるため、安定性は維持しやすくなります。
※帯域保障型国際回線とは
契約した通信速度(帯域)が常に保証され、混雑時でも安定した通信品質が維持される専用の国際通信回線。ベストエフォート型(公衆網利用)とは異なり、専用設備を使うため高コストだが、ビデオ会議やクラウド連携など、安定性と信頼性が不可欠な業務向けに利用され、海底ケーブルなどで大容量・高速通信が可能。
AWSなどクラウドサービスを利用する場合も、この考え方は重要です。2025/11現在、ベトナムにはAWSリージョンがなく、現在はシンガポールリージョンを利用するケースが一般的ですが、海底ケーブル障害時にはアクセス遅延が避けられません。専用線や帯域保証型回線を組み合わせることで、影響を最小化できます。
一方、2026年にハノイにAWSローカルゾーンが開設見込みであるといわれています。これが実現すれば、シンガポールまで通信を伸ばさなくても、EC2やEBSなど主要コンポーネントをベトナム国内で利用できるようになります。
日本ではあまり語られない「海底ケーブルリスク」。ベトナムでビジネスをするなら、通信インフラの選択肢を知っておくこと、そして将来のAWSローカルゾーンの動向を押さえておくことが、クラウド活用の第一歩です。