- ベトナム
IIJタイの遠藤です。
タイで企業のIT環境を考えると、日本ではあまり意識しない問題が出てきます。雨季の豪雨による浸水や屋根からの雨漏り、熱帯気候ならではの高温、そして地方拠点では停電が起きることもあります。こうした状況は、オンプレミスでサーバーを運用する企業にとって負担になりやすいのが実情です。
サーバールームで水漏れが発生し、機器に影響が出るケースは珍しくありません。タイの建物は日本ほど密閉性が高くないことが多く、屋根や壁に隙間があるのはよくある話です。さらに、オフィスビルでは空調がビル全体で管理されていることが多く、夜間や休日はエアコンが止まるケースもあります。熱帯のタイでは、これはサーバーにとって厳しい条件です。
実際に、過去には「窓を半開きにしてそこに光ファイバーケーブルを通している」、「サーバーラックの上にタライを置き、屋根からの水漏れを防いでいる」というお客様もいました。嘘のようですが、実際にあった話です。
ちなみに、タイではエアコンの水漏れもよくあります。高湿度で結露が多く、さらにホコリや虫が多いため、ドレンホースが詰まることが原因らしいです。実際、私自身も自宅でエアコンから水が垂れてきて、下に置いてあったテレビとPS5が濡れてしまったことがあります…。
日本ではあまりない現象ですが、タイでは珍しくありません。

※かなり強くボタボタと落ちてきて…。タイの老舗タイティー屋「ChaTraMue」のカップが活躍。
地方の工場では、突然の停電が起きることもあります。UPS(無停電電源装置)を導入して一時的に電力を確保する企業も多いですが、UPSはあくまで「時間稼ぎ」であり、長時間の停電には対応できません。発電機を設置する企業もありますが、コストや管理の負担は小さくありません。
こうした課題を考えると、タイでもクラウドを選ぶ企業が増えているのは自然な流れかもしれません。クラウド事業者のデータセンターは、一般的に高い冗長性やリスク対策を備えており、電力や空調の多重化、監視体制などが整っています。オンプレで悩む「雨漏り」「空調停止」「停電」といった問題は、クラウド移行によって大きく軽減できる可能性があります。
もちろん、クラウドにも課題はあります。ネットワーク品質やセキュリティ設定などは引き続き重要です。そこで、IIJ Managed Cloud for AWSのようなサービスを活用することで、運用監視や自動化、セキュリティ対策まで一括でサポートできます。IT専任者が不足している企業にとって、こうした運用代行は大きな安心につながります。
タイの現場を理解すると、クラウド移行は単なる流行ではなく、リスクを減らし、業務を止めないための有力な選択肢といえるでしょう。クラウドで安心を確保する、そんな考え方が広がりつつあります。

※大雨と強風で自宅敷地内に倒木。タイの自然の力、侮れません。